現職・元職・新人の合わせて4人が論戦を展開している参議院議員選挙の秋田県選挙区。2回にわたって候補者の戦いぶりをお伝えしています。2回目は、自民党の元職・中泉松司氏と無所属の現職・寺田静氏です。
参院選秋田県選挙区には、届け出順に、政治団体NHK党の新人・本田幸久氏(43)、参政党の新人・佐藤美和子氏(65)、自民党の元職・中泉松司氏(46)、無所属の現職・寺田静氏(50)の4人が立候補しています。
◆中泉松司氏(自民・元)
国政返り咲きを目指す自民党の中泉松司氏は、組織の手厚い支援を受けて選挙戦を展開しています。
選挙戦2日目には「20年来の盟友」と話す小泉農林水産相が秋田入り。
また7日には、自身が所属していた党の旧派閥のトップである岸田前首相、さらに14日は石破首相が駆け付け、支援を呼びかけました。
中泉氏はこの6年間、農業に従事しコメ作りに励みました。今回の選挙はコメの価格高騰などで農業政策に有権者の関心が高まっています。
中泉松司氏:
「今まで聞いたことがないくらい、今まで感じたことのないくらい、本当に多くの人から駆け寄っていただき『農業のこと・百姓のこと頼む』と言われます。6年間浪人を続けてきました。6年間歯を食いしばってきました。もう一度働かせてください。もう一度、皆さんの力で古里のために働かせてください」
選挙戦で中泉氏は「生産者と消費者が両方いる秋田の思いをしっかり国に届ける」と訴えます。
多くの村民が農業に取り組む大潟村では…
中泉松司氏:
「米どころ秋田の底力を発揮して、農政がいま転換期を迎えている時に、この農業県、秋田の底力をもう1回発揮して、そして私たちの子どもや孫の世代に豊かな秋田を引き継いでいこうじゃないですか。もう一度、秋田のために働かせてください。必ず結果で、成果で皆さんの期待に応えてみせます」
選挙カーをくまなく走らせる日々の中で、エネルギーの源の一つは仲間との昼食の時間。もちろんコメは欠かせません。
この日の昼食は能代市内の飲食店の馬肉弁当。中泉氏は「ここ好きです。そんなによく来られるわけじゃないですけど、馬肉好きなので。だから日程を見て『馬肉食える』と思って楽しみにしていました」と話しました。
選挙戦終盤は、地元・秋田市で票の上積みを狙います。
中泉松司氏:
「沿道から、車からものすごく多くの皆さんに反応をいだだき、自分でもびっくりしていますけれども、ありがたい激励をいただいているので、これを力に変えて最後まで頑張りたいと思います」
◆寺田静氏(無・現)
寺田静氏:
「政府は本予算、補正予算と巨額の経費をつぎ込みましたけれども、県民の生活に直接届いたものは一つもなかったと思っています。どうか皆さん、こうした政治の在り方を変えるために、私たちの日々の暮らし、これが上向くように私に力をお貸しください」
再選を目指す寺田静氏は、6年前「野党統一候補」として初当選を果たしたものの、国会では政党などに所属せず、自らの思いに従って活動を続けてきました。
選挙戦では、多くの人と対話を重ねることで支持の拡大を図っています。
寺田氏がこの6年間で取り組んだことの一つに挙げるのは、地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア配備計画」の撤回に向けた活動です。当選後、寺田氏は多くの国会議員のもとに出向き、計画見直しを求める声を届けました。
寺田氏が今回の選挙戦の争点に挙げるのが「物価高」について。自らの生い立ちに触れながら、消費税の減税などを訴えます。
また、仙北市では地元農家と意見交換の場を設け、農業現場の不安や要望に耳を傾けました。
遊説では、有権者のもとに駆け寄って対話します。連日の暑さの中での活動で体力を奪われる場面もありますが、支えとなっているのは家族の存在です。
寺田氏は当選後、都内に拠点を移しています。この日は小学6年生の長男と約2週間ぶりに一緒に食事をとりました。
寺田氏:「(選挙期間中の息子との食事は)とても少ないですけど」
長男・しんぺいさん:「ほぼほぼ…」
寺田氏:「ごめんママに答えさせてもらっていい?困っちゃうテレビの人。(学校があって)平日はやっぱり難しいので、選挙期間は土日だけ」
長男・しんぺいさん:「2週間くらい会ってないと思う。久しぶりでうれしい」
様々な立場の人々に寄り添う政治の実現を目指し、寺田氏は訴えを続けます。
寺田静氏:
「物価高だけではなくて、育児や介護の大変さを知る者として、皆さんの生活の実態に合った政治が行われていくように改善を働きかけたいということを訴えていきたい」
参院選の投開票は20日で、19日まで期日前投票が受け付けられます。
07月16日(水)19:00