ミラノ・コルティナオリンピックでは、スキーやスノーボードの競技で日本人の活躍が目立ちました。まさに冬を代表するレジャーの一つですが、全国的には参加人口の減少が続いています。
全国で1年間に1回でもスキーをした人数である「スキー参加人口」は、バブル全盛期の1980年代後半以降増え続け、90年代前半には1800万人を超えました。7人に1人がスキーを楽しんだ、まさに国民的娯楽だった時代です。
その後はスノーボードも加わり、1500万人前後をキープしてきましたが、「ブームの沈静化」や「レジャーの多様化」、「雪不足」などを背景に次第に減少。2024年には420万人と、ピーク時の4分の1ほどにまで落ち込んでいます。
ウィンタースポーツが盛んな秋田県内も例外ではありません。
こうした中、大仙市で地域住民に長年親しまれてきたスキー場が、今シーズンで廃止される方針が決まりました。
2月22日、春を思わせるようなやわらかな陽気の中、大仙市の「大曲ファミリースキー場」は、朝からスキーを楽しむ多くの家族連れなどでにぎわっていました。
大曲ファミリースキー場が誕生したのは1991年、バブル期のスキーブームが地方にも広がっていた時代です。なだらかなコースは初心者や子供に向いていて、地域住民が多く足を運ぶ「家族の冬の遊び場」として親しまれました。
35年の歴史を重ねる中、スキー場は大きな分岐点に立っています。
2月19日、市が「スキー場の廃止条例案」を議会に提出したのです。背景の一つは利用者の減少です。
大曲ファミリースキー場の利用者は、2012年には1万人以上いましたが、2024年には約4400人まで減少。この10年ほどで半減した形です。
さらに築35年の施設は、リフトや休憩所、整備車両などの老朽化が著しい一方で、設備の更新には多額の費用がかかるため、人口減少や少子高齢化が進む中、市の財政にとって大きな負担となります。
廃止の方針が打ち出され、シーズン最後の営業となった週末。最後の滑りを楽しもうと思い出のスキー場に足を運んだ利用客たちは、様々な思いを抱えていました。
横浜市・30代:
「本当は去年来たかったが『来年行こうね』と言っていた。きょう来たら、あす(2月23日)で閉まると聞いて驚いた」
大仙市・40代:
「スキー自体も30数年ぶり。もっと早く来ればよかった」
70代男性:
「始まった当初から何度も来た。孫や子供と来た思い出があって、寂しい。平日はやっぱり客が少ないから。寂しいといえば寂しい」
6年前に大阪から移住してきた家族の姿もありました。
大阪から移住した30代男性:
「私はスキーを一度もやったことがないが、スノーボードはたまに楽しくやらせてもらっていた。そりのレンタルもあって、子供が4人いるので毎年たくさん遊んでいて、やっぱり寂しい」
大阪から移住した7歳の子供:
「リフトに乗りたかった」
3日に開催された大仙市議会では、スキー場存続の声が上がり、議論が続いています。
県内の各自治体ではいま、公共施設の再編についての議論が進められています。特に、地域住民の利用に依存する小規模な公共スキー場では、今後の存続に向けて知恵を絞り出す必要がありそうです。
そして、小中学校で行われてきた「スキー授業」のような雪国文化としてのウィンタースポーツを、どう保存・継承していくのかも今後の課題となりそうです。
03月03日(火)19:30