大型連休中、秋田県内の行楽地は帰省客や観光客でにぎわいました。一方で、にぎわいと同じように連日話題に上ったのがクマの出没です。
5日には由利本荘市東由利で、田んぼの見回りをしていた40代の男性がクマ1頭に襲われました。
これまで春の人身被害は、山菜採りなどで入った山、つまりクマの生息域で多く発生していましたが、今回は里での農作業中。日常の中で被害が起こりました。
さらに、5月1~6日までのわずか6日間で、県内では99件ものクマの目撃情報が寄せられています。“異常出没”と言われた2025年の同じ時期の2倍以上です。
専門家は、最近のクマの出没について「予想を超えている」とした上で、正しい警戒を呼びかけます。
クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授は、いま市街地で目撃されている個体は「山で冬眠していない」と指摘します。
秋田県立大学・星崎和彦教授:
「2025年12月に街中に出没していた個体は、山に戻ろうにも、もう雪が積もっているし、そこから冬眠穴を探すのは難しかったはずなので、恐らく街中のどこか寝られる場所を探して冬眠した。なのでこの時期、冬眠から覚めてどこかに移動するさなかに人に見つかってしまうのは、ある意味自然なこと。それだけ街中で越冬した個体が増えたのかなと受け止めている」
さらに、クマ本来の生態を知らない個体もいるようです。
星崎教授:
「2025年秋の時点で、子グマが単体で目撃されるケースが街中では多かった。母グマが捕獲された孤児ではないか。そういうクマは、どういうふうに越冬したらいいか母親から教えてもらえない。春先もいつ起きたらいいか、どうやって行動したらいいかが分からない」
一方で、2026年はクマの餌となるブナの実の豊作が予想されています。星崎教授は「山の木の実がなれば、一定の個体は山に戻る」とした上で、次のように指摘します。
星崎教授:
「人里や街中で苦労せずに餌にありつけると学習してしまうと、そのクマはそこにいたほうが得と思っているかもしれない。そういう個体は、排除するか、駆除するかの対策が必要」
緊急銃猟が開始されたほか、国がクマを“保護”から“管理”に移行したことで、今後私たちの生活圏に出没するクマは積極的に捕獲・駆除される見通しです。
一方で2026年も人身被害が発生したほか、私たちの生活圏にすみ着いたクマがいるのも事実です。こうした中でも星崎教授は「クマを正しく恐れることが重要」と話します。
星崎教授:
「全員が外出自粛などの安全策を取ると、クマにとっては逆に楽をさせることになってしまう。人間がいないのでクマを居つかせることにつながってしまう。社会としては逆に危険が増えるということが起き得る」
県の情報システム・クマダスで、日常の生活圏や出かける予定のある場所などのクマの出没状況をしっかりと確認し、一人一人が安全や危険を予測して行動することが求められています。
05月07日(木)18:30