秋田県由利本荘市の県立大学で専門教育の総仕上げ「キャップストーンプロジェクト」の成果発表会が開かれ、研究を進めてきた学生が企業が抱える様々な課題の解決策を提案しました。

秋田県立大学では2024年秋から、学んだ専門知識を生かして企業が抱える課題の解決策を見つけ出そうと取り組んでいます。題して「キャップストーンプロジェクト」。

「キャップストーン」とはピラミッドの頂点に載せる石を指すことから、プロジェクトは学生の研究の総仕上げの一つに位置付けられています。1990年代にアメリカで生み出された教育方法です。

発表会では、機械工学・情報工学・経営システム工学の31グループが研究の成果を報告しました。

学生の1人は「企業キャラクターをリクルートで見せていきたいと言われ、僕たちは3Dプリンターと機械加工を合わせて作った」と研究の成果を発表しました。

また「精密機械を手作業で作る企業が人材不足に直面し、生産が偏った」という課題解決に挑んだグループは、企業を訪問したり実際に作業する人に話を聞いたりしながら研究を重ねました。

学生は「自動ステージをフィードバック制御し、芯出し工程を完全に自動化するという流れを考えた」と発表しました。

学生の発表を聞いた企業は「学生の目線で非常によくまとめられていた。自動化されれば会社にとっても合理的な研究結果になる」と話し、学生たちが導き出した成果に感心していました。

学生は「障害にぶつかることも多かったが、仲間や企業と協力して乗り越えた。大変だったがやりがいがあり、良い経験となった」「プロジェクトを通じて県内でもすごい技術を持った企業や能力のある企業を知ることができたので勉強になった」と話していました。

大学は、学生に県内企業を知ってもらい、就職・地域の活性化につなげていきたいとして2025年度もプロジェクトを実施する予定です。

06月04日(水)20:00