失職に伴う秋田県鹿角市の市長選挙が迫っています。告示を前に13日、立候補予定者による公開討論会が開かれ、前職と新人合わせて5人が市の課題について意見を交わしました。
失職に伴う鹿角市長選に立候補を表明しているのは、前職の関厚氏(71)、元文部科学省職員の藤井陽光氏(77)、元鹿角市議の金澤大輔氏(51)、同じく元鹿角市議の笹本真司氏(39)、システムエンジニアの奈良大氣氏(40)の5人です。
告示を前に13日に開かれた公開討論会で5人は、様々なテーマでそれぞれの考えを述べました。
ーー医療福祉について。
関厚氏:
県北地域全体の医療は大変厳しい状況に置かれています。こういう状況を踏まえながら、大館市の病院の分娩機能をまず維持することが先決であるという対応をしてきました。産婦人科の分娩機能の再開は大変厳しい状況にありますが、岩手医科大学、厚生連等へも複数回訪問し、東京の医科大学への要請も引き続き行っています。
藤井陽光氏:
子育てしやすい鹿角市プロジェクトの中の1つの医療支援、妊産婦の医療費無料、高校生までの医療費無料、そういったことは医療費の問題に資すると思っています。移動手段といいますか、病院に行けることさえ大変だという現実ですから、妊産婦さんが大館に行くのも大変ですけれど、地元の人が地元の病院に行くのさえ大変な現実です。これもなんとかしたいと思っています。
金澤大輔氏:
残念ながら小児科さえ常勤ではなくなるなど、医療低下が進んでしまっているのが現状です。産婦人科もそうですが、一度閉ざされてしまったものを復活させるのは非常に難しいものと考えますが、できる対策、考えられるありとあらゆる対策を打つしか打開策はないと思っています。市民の不安と不便を解消するためのサポートを、政策として全力で取り組むべきと考えます。
笹本真司氏:
先日、大館市立病院で子どもが生まれました。10人近いスタッフに対応してもらいました。分娩機能が復活したとして、鹿角で同じ水準の対応ができるのか、妻も私も直感的に難しいんじゃないのかなと感じました。医療はチームプレーなんです。頭数さえ揃えばいいというものではないので、慎重な議論が必要です。子育て世代やその前の世代の人たちを中心に、当事者が積極的に議論に参画する必要があると思います。
奈良大氣氏:
産婦人科や小児科の不足が深刻で、多くの市民が不安を抱えていたり、未来に期待できずに暮らしています。産婦人科や小児科を含めた医療機関の再整備、医師や看護師の確保に取り組み、県や国、そして大学病院や医師会と緊密な連携を取りながら、医療体制を段階的に充実させていくことを目指します。
ーー市役所や議会とどのように関係性を築くか。
関氏:
4年弱、市長を務めさせてもらいました。大変いろんな議論をしてきましたが、対決ではなく解決という考え方に基づいて、議会との対応をしていかなければいけないと思っています。
藤井氏:
とにかく市民の皆さん、それから市の職員、それから市議会の方々と対応して説明を尽くして、それについての意見をもらって、整理しながら進めたいと私自身は考えています。
金澤氏:
議会と首長は一緒にやっていくべきものだと思っていますが、ただのイエスマンではなくしないといけないので、やはりお互いの関係性は是々非々であるべきだと思います。
笹本氏:
鹿角市の将来を建設的に議論していくためには、信頼関係の構築が絶対に重要なんだと。積極的にコミュニケーションを取りにいき合う関係性を、両者が意識する必要があります。
奈良氏:
もし私が市長になった場合の話ですけども、その場合は、できていなかった市民や議会との対話を行って、市民の声を政策に反映したり、対立から調和の姿勢へ転換したいと思っています。
鹿角市長選は4月20日告示、4月27日投開票です。
04月15日(火)20:00