4期16年にわたり秋田県政のかじ取り役を担った佐竹敬久知事は、19日に任期満了を迎えます。18日は新たな知事への引き継ぎに記者会見にと最後の公務にあたり、長年通った県庁を後にしました。激動の16年で佐竹知事が県民に最も伝えたかったこととは。
最後の公務に向け、佐竹知事は18日午前9時20分ごろ県庁に到着。20日に新たな知事に就任する鈴木健太氏は引き継ぎのため、それから約30分後に入庁しました。
引き継ぎの席で佐竹知事は、鈴木氏に「おめでとうございました。きょうはどうですか気持ちは」と質問しました。これに対し鈴木氏は「緊張しております」と笑顔で答えました。
事務の引き継ぎ書に署名した後、佐竹知事は、2025年度の予算書や2023年度の決算書などを鈴木氏に手渡しました。
佐竹知事は「まずはアンテナを多方面に張って、情報をいかに入手するか。どういうパターンの時にどう手を打つか。このタイミングと見極め。いろいろアドバイスを受けながらも最後の決定は知事。また、議会ともうまく調整して議会の認証を受けないと動きませんので。そういうことでよろしくお願いします」と鈴木氏にアドバイスを送りました。
そして鈴木氏は「16年間、本当にお疲れさまでした」と佐竹知事の労をねぎらいました。
引き継ぎ後、鈴木氏は「非常に丁寧な申し送りをしてもらい、いよいよだなと気持ちを新たにしている。世界が非常に変化をしている。その中で対応していくのはなかなか容易でないことだが、県庁組織がしっかり機能している。その中で最終的な判断は知事が行うという、リーダーとしての心構えを伝えてもらった」と語りました。
午後1時ごろ、最後の記者会見に臨んだ佐竹知事は、県民に向けた心境を漢字一文字で表現しました。
佐竹知事:
「『謝』です。16年間いろいろありました。至らぬ点もたくさんあります。16年間、本当に務め上げることができたのは、県民の皆さんに感謝です。この感謝の謝は“謝意の謝”でもあり、至らぬ点について謝る方が20%くらい込めている。そういう意味で、感謝とおわびと両方含めて一番いい字がこれかなと思い『謝』を書いた。本当に皆さんに16年間お世話になり、ありがとうございました」
午後2時からは、県職員約300人を前に退任のあいさつをしました。
佐竹知事:
「この後、知事が変わります。新しい知事は若いです。ちょうど私の子どもの年です。まさに県庁が心を一つにして、知事をトップとしてまずはしっかり努力することが必要です。そういう意味で、これから県政の課題がいくつもありますが、皆さんとともに新知事と一緒になって、その課題に一歩でもいい成果が出るように努力していただくことを願っています。そして最後に、本当に皆さん、16年間至らぬ点がたくさんありました。相当県職員の皆さんにカバーしてもらった。そして県民の皆さんの温かい心によって、なんとかいろんな面でお叱りを受けながらも16年間務め上げることができたのは、本当に幸せだと思っています」
この後、県庁の本庁舎や第二庁舎など各フロアを回り、「皆さん長い間お世話になりました。本当にありがとうございました。この後もいろいろとあると思うがしっかりやってください。本当に皆さん、ありがとうございました」と感謝の言葉を伝えた佐竹知事は、職員から万雷の拍手を受けていました。
そして午後5時20分ごろ、孫娘や県職員から花束を受け取り、県庁を後にしました。
リーマンショックの対応に始まり、東日本大震災、新型コロナウイルス、記録的な大雨など、2009年から秋田県の発展に向けて全力で駆け抜けてきた佐竹知事。4期16年続いた佐竹県政が幕を閉じました。
04月18日(金)19:00