本格的な春を迎え、様々な生き物が動き出していて、カラスの巣作りも活発になっています。秋田県内で撤去されたカラスの巣の数は、ここ数年は年間3000件前後と横ばいで推移しています。
なぜ撤去が必要なのかというと、電柱などに作られた巣の影響で停電が発生する恐れがあるからです。カラスの巣が原因の停電が県内では2024年には3件起きていて、計1829戸に影響がありました。4年前にはJR秋田駅の構内でカラスの巣による停電が発生し、新幹線に遅れが出ました。
こうした生活への影響を未然に防ごうと、電力会社が17日、秋田市で電柱に作られた巣の撤去作業を行いました。
東北電力ネットワークは、カラスの巣作りが活発になる春先にパトロールを強化し、巣の撤去作業を進めています。
今回の現場は秋田市飯島の道路沿い、見通しの良い場所にある電柱です。
菅原咲子アナウンサー:
「電柱のアームの上にあるのが今回撤去するカラスの巣。よく見てみると木の枝などが複雑に絡まりあっているのが分かります」
巣の材料となる木の枝や鉄線、針金のハンガーなどが電線や電柱の設備に触れることで漏電し、停電が発生する恐れがあります。
作業員は、電気を通さない素材でできた専用の器具を使って巣を回収します。6600ボルトもの高圧電流が流れているため、慎重に作業を進めます。
5分足らずで作業は完了。カラスは毎年3~8月ごろに巣を作りますが、撤去されたのは産卵の準備が整った巣でした。
東北電力ネットワーク秋田電力センター・松江光太郎配電主査:
「木の枝が徐々に炭化していって通電しやすくなる。それで停電が発生する。ことしはそれで1件発生してしまったが、今後は起こさないという強い気持ちで作業に取り組んでいる」
東北電力ネットワークは撤去だけではなく、巣作りを防止するため、カラスが電柱や電線に止まれないようにする器具を設置するなどの対策を取っています。
電柱にカラスの巣があるのを見かけたら、東北電力ネットワークのコールセンターやホームページから連絡をお願いします。その際は、電柱に記された「電柱番号」を知らせてほしいということです。
04月17日(木)19:30