秋田県北秋田市出身の作曲家・成田為三の作品を歌い継ごうと、地元の子どもたちが活動しています。定期的にコンサートを開き、歌声を披露している「浜辺の歌音楽館少年少女合唱団」を取材しました。
美しい歌声を響かせているのは、北秋田市の「浜辺の歌音楽館少年少女合唱団」。小学生から高校生まで17人が所属していて、週に一度、市内で練習しています。
指導者は木村静子さんです。合唱団の活動目的について、木村さんは「浜辺の歌を作曲した成田為三先生の作品を歌い継ぐことと、子どもたちに歌う機会をつくること」と話します。
団体の名前にもある「浜辺の歌」は、旧森吉町出身の作曲家・成田為三の代表曲です。
合唱団は1988年に、成田為三の功績を伝える市内の施設「浜辺の歌音楽館」の設立に合わせて結成されました。木村さんは設立後まもなくして指導者を務め、いまに至ります。発足当初は30~40人が参加していたものの、少子化が進んだことでメンバーは徐々に減っていきました。
さらに新型コロナウイルスの感染拡大という追い打ちもあり、満足に練習ができない時期もあったといいます。それでも合唱団のOGたちのサポートを受けながら、現在も定期的にコンサートを開くなど精力的に活動しています。
高校1年生のメンバー:
「小学校5年生から参加している。友達がやっていたので私も参加したいと思い参加した。おばあちゃんが見に来てくれると褒めてくれるのでとてもうれしい」
小学2年生のメンバー:
「声出しと歌うときが楽しい。(成田為三の曲の中で)みんなが知っていると思うので『浜辺の歌』が好き」
中学2年生のメンバー:
「歌っていてみんなと合わせるところが難しかったり、音程がつかめないところがあったりするので、そこを練習して頑張っている」
熱心に練習を重ねるメンバーたちはこの日、成田為三の代表曲の1つ「かなりや」を披露してくれました。
合唱団は月に一度、音楽館でコンサートを開き、ポップスなどさまざまなジャンルの歌も披露しています。次回は2月23日に開催される予定です。
指導する木村さんは「少子化で子どもが少なくなってきているが、それでも自分たちにできることをやりたい。地域に元気な歌声を届けるというのも役割だと思っているので、みんなで協力しながら歌声を届けたいと思う」と話します。
2025年で没後80年を迎える成田為三。合唱団は彼の作品の素晴らしさを、歌声に乗せて後世につないでいきます。
01月29日(水)21:00